SSブログ

春のおとづれ、春のかさね/令和五年一月九日 [由無し事]

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
松の内も過ぎてしまってお恥かしい。御容赦下さい。
そして成人の日ですね。新成人おめでとうございます。
新成人様にもどなた様にも、善きおとづれがかさねがさねありますように〜。

今年の干支画像は鈴木春重(司馬江漢)の「青楼雪」です。
harushige.jpg
作者名と画題は私が書き入れました。吉原の雪という意味ですね。
画面の下の方に、黒いお盆に載った雪兎がいます。
真ん中の若衆がお客、左右の娘が遊女でしょうか。
左の娘の帯は平十郎結びですね。
窓の外は雪景色、その中を駆けていく駕籠かきの姿が小さく見えて、深々とした風情が身に迫って感じられます。
さすが春信…ではなくて、春重、の作品なんですね、この浮世絵。
一文字違いの紛わしい筆名とそっくりの絵柄だから、私、暫くの間春信の絵だとばかり思い込んで騙されてましたわ(笑)。

この鈴木春重という人、実は鈴木春信の弟子だった人で、春信の没後に春信そっくりの絵と名で浮世絵を描いてたんだそうな。
今でもありますもんね、亡くなった作者の代わりに元アシスタントが未完の遺作の続きを書いたりするの。
春信の代わりに春信の絵を描いてるつもりだったのかな。
後に司馬江漢という名で洋画家、学者、文筆家などで名を上げて、近年では日本のダヴィンチなんて評される事もあるんだとか。
何でも探究しないと気が済まない性分だったんでしょうか。
本当に、良い意味で春信そっくりですもの。
春信大好きだったんでしょうねえ。
コメント(0) 
共通テーマ:アート
(C) はなだの Hanadano 2010〜