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みんなゆるゆる/令和五年十二月三十日 [由無し事]

二十八日まで開催されていた丸紅ギャラリーの企画展「源氏物語 よみがえった女房装束の美」観てきました。
近現代の宮廷装束を見学する機会はちょいちょいあるけど、平安時代までの萎装束の再現なんて初めて見るから、胸も躍りますわ。
展示は画像とほぼ同じで、中の人だけがするりと抜け出た空蝉状態でした。
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思ったよりこじんまりとした装束の印象だったのは、まだ唐風装束の名残が感じ取れたからかな。
身幅と丈がどんどん広がって伸びていってこうなりましたって。
袖は身頃に全部付いてて袂がない、襲袿はみんな同寸法だから下にいくほど撓む、巻きスカートだった裳は巻けなくなって腰に乗せて置くだけになって。
こんなゆるゆるガバガバの装束でいいのかと心配になるけど、普段は座った状態だし移動は膝行だし、ちょっと押さえて引きずるようにすれば問題なかったんでしょうね。
柔かく体に添う萎装束だからできたことかも。

今回は女性の萎装束だけだったけど、いつか男性の萎装束も見てみたいです。
女性の装束の国風化はまだ解りやすいけど、男性の装束はなんでこれがこうなるの?って不思議に思うところがあっても、ちゃんと理屈が通ってたりして面白いんですよね。

これは私の個人的な印象なんですけど、日本人て着るものを何故かゆるゆるガバガバにしたがる気がするんですよね。
高温多湿対策だけでは割り切れない気がするんですよ。
洋服の時代になった現代でさえ、常にゆるゆるガバガバのデザインはあるし、たまにピチピチパツパツで布地が少ないデザインが流行っても、あんまり主流にならないというか。
体型を露わにしたがらないだけでは収まらないような、なんだか「本体」を隠したがってるように思えます。
そういえば日本人て体だけでなく、素顔とか本名なんかも隠したがりますよね。
まるで、正体を知られたら魂まで持って行かれるというような、古代の防衛本能が今も遺伝子に組み込まれてるんじゃないかという気がします。
ゆるゆる、面白いな。

さて今年はコロナ渦中控えてた展覧会に幾つか行けて嬉しかったです。
大袈裟かもしないけど、命あってこそなんて思ってしまいます。
今年も色んな方面でお世話になりました事に感謝致します。
ありがとうございました。
どなた様もどうぞ良いお年をお迎え下さい。
来年もまた宜しくお願い申し上げます。
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